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田中さんちの阿蘇えぼし牛は、綺麗なサシが入って美味しそう。 |
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ショーケースには、精魂込めたえぼし牛の飼育のこだわりが。 |
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阿蘇駅そば、57号線添いの道の駅「阿蘇」で販売されている。 |
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田中さんのそばで熱心に話を聞く長女の眞歩(まほ)ちゃん(右)。
ここにも将来を担う有望な若者が。 |
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小田翼さんが生産から販売を手がける飲むヨーグルト。
右下の名刺はデザインもユニークで話題性抜群です。 |
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お肉の販売は奥様の恵子さん(右)が担当。歩さんがより良い
牛を育て、奥様が販売と、チームワークもバッチリ!
眞歩ちゃんも加われぱ、将来安泰の田中さんち。 |
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Q4. 新たな試みをされているとか…。
阿蘇の大自然の中で伸び伸びと育て、品質にこだわり、消費者の皆様に美味しいお肉を独自の価格で提供しています。そして安全で安心なお肉を提供するために、トレーサビリティを採用しています。トレーサビリティとは、いつどこで生まれ、どこの誰が育てた牛なのかが確認できるシステムです。「田中さんちの阿蘇えぼし牛」という名で自宅の敷地内店舗で直売もしています。加えて、昨年12月より道の駅「阿蘇」の売店でも販売しておりますので、ぜひご利用いただければと思います。
※8月19日・20日の「大阿蘇火の山まつり」にて串焼きを販売します。
Q5. 阿蘇地区の現状をお聞かせください。
私は創立30周年のときに理事になって4年になります。阿蘇地区には約300人のOBがいますが、全ての方を存じ上げているわけではありません。しかし、この阿蘇地区では様々な農業をされている方がいらっしゃいます。勢いのある若手や、私たち中堅もそれぞれ頑張らなければなりませんが、長年培った経験と知識を持つ先輩方にも協力いただき、後進に伝えていってもらえればと思います。
Q6. ビジョンをお聞かせください。
2012年7月12日の大豪雨で、自然の恐ろしさを改めて痛感しました。命を、そして家を、土地を失った方も大勢います。それでも私たちはこの自然と共存していかなくてはなりません。復興にあたっては、多くの方がボランティアとして参加され尽力いただきました。この場を借りて、御礼を申し上げたいと思います。
しかし自然の厳しさと直面し、これを機に農業から離れていった方も大勢いると聞きます。他の地区でも同様かと思いますが、農業従事の後継者不足、そして高齢化による耕作放棄地が問題になっています。国(農林水産省)や県の取り組みで新規就農者を受け入れるプロジェクト等がありますが、決してうまくいっていないのが現状のようです。その点、農業大学を卒業した若者は即戦力と言えます。しかし、こうした若者たちはやる気があっても基盤がないということで、夢を断念することも多いようです。また阿蘇中央高校の先生とお話させていただく機会がありましたが、進学しないで農業をしたいという学生が少なくないと言われます。ですが、こちらも受け入れ先がなかなかないというのが現状だそうです。新規就農者の受け入れも大事でしょうが、少なくとも学校で農業の勉強をしてきた若者の可能性にかけ、耕作放棄地を使い、プラス長年の経験と知識を有する諸先輩方を含めた我々OBがサポートしていくことで、農業の将来が拓けるのではないでしょうか。
そんな中、小国町で酪農経営をされている小田 翼さん(27期生・酪農コース)は、80頭のジャージー牛の飼育にこだわった経営をされています。6次産業化(ジャージー牛乳を使ったヨーグルトの生産)や地元活性化のための活動、そして積極的な研修生の受入をされています。こうした活動に対して、耕志会阿蘇支部が推薦し、今年度(平成25年度)の耕志賞を受賞されました。本当に頼もしいかぎりで今後の活躍を期待せずにはいられません。
Q7. 具体的な構想などありますか?
2013年5月29日、阿蘇がめでたく「世界農業遺産」として認定されました。阿蘇の農業にとって、追い風にしなくてはなりません。身近な取り組みとして、阿蘇の新鮮な野菜などを朝市で直接生産者が消費者に販売する「阿蘇マルシェ」があります。開発では、昨年、阿蘇中央高校(旧阿蘇清峰高校)の学生たちが開発した白イチゴ「あその小雪」があります。完熟していても薄いピンクで、新品種としても登録されるなど付加価値も付いて、関東方面に出荷され、一粒1050円で販売されているそうです。その時の担当の先生に、耕志会の総会で講演をしてもらいましたが、長年イチゴの栽培をされてきた方に白イチゴの話をしたところ、「そぎゃん手間んかかるこつはでけん」と言われたそうです。目線の違いですね。しかし観光農園からは、目玉商品になるということで生産の契約をされたと聞いています。
こうした目玉となる商品づくりや販売形態を地区や集落単位で取り組むことで、個々が負担するコストも少なく済み、リスク軽減につながると考えます。さらに、単一の農産物の広域マップなどはよく見かけますが、以外になかったのが地区や集落で収穫される農産物の複合的なマップを作りたいと思います。農大生OBが300人もいるわけですから、まずは志を同じくする「耕志会」が中心となって活性化を図っていければいいですね。
(2013年6月29日インタビュー) |