20歳で就農して以来、酪農一筋。農大時代は楽しい思い出ばかりで、中でも午後からの実習は印象に残っています。午前中の講義はよく寝ていたような気も…(笑)。私の同級生の中で酪農の後継者は半数程でしたが、息子の大地の同級生は後継者がほとんど。時代の流れを感じますね。私の就農当時は働けば報われる時代でしたが、現在は牛乳離れやTPPの問題などもあり、危機感を持っています。選ばれる酪農家になるために何をするべきかを、常に考えていますよ。家で搾乳した生乳は県酪連を経由して全量生協さんへの納入となるので、品質にもかなり気を遣います。間伐材を切って自ら牛舎を建てる程の、こだわりの強い私の親父とは喧嘩することもありすが、決断力や人を引っ張っていくパワフルさは凄いですね。作業スピードも私たちより速いんですよ。そんな激しい気性の祖父を持った大地は平和主義(笑)。自然に背中を見て(反面教師で)育ってくれるだろうと思っています。仕事も、社会のことも、自分でしっかりと考えて、積極的に吸収していってほしいですね。







 

子どもの頃から作業を手伝うのは普通のことでした。中・高校生時代はキツいなと思いましたけれど。将来のことを考えた時、自分はあまり器用ではないので、慣れているものならばやっていけると思い、県立農大に進学しました。父と同じく、農大時代は楽しい思い出ばかりですね。後継者同士という同じ立場の仲間と出会うことができたことも嬉しかった。合わせて1ヵ月間の酪農研修では山鹿市まで行ったのですが、牛糞の堆肥化や独自飼料など、とても参考になりました。しかし、手伝いと就農では感覚が全く違い、大変ですね(笑)。この毎日の作業を20年以上も続けている父は凄い…。もちろん創業した祖父も。いずれにしても、自分で考えた末に選んだ道なので、頑張っていきます。就農して日が浅いので、いろいろと経験しながら、酪農で自分がやってみたいことを見つけたいと思います。何でもできる父、気配りのできる母のいいところを学んでいきたいですね。先輩方の仕事のやり方を知ることや、幅広い人との交流からも自分を磨いていくつもりです。
 


●プロフィール
父/三池 敏(みいけさとし)
昭和41年(1966年)大津生まれ。熊本県立大津高校を経て熊本県立農業大学校(畜産学科酪農コース)卒。酪農は昭和42年頃、父親の秀(しげる)さんが乳牛1頭から始めた。農大卒業後、すぐに就農(当時の乳牛は20頭)。子どもの頃は家業の手伝いが嫌だったが、進路を考える中で「サラリーマンは自分に合っていない」と考え、家業を継ぐことを決意。農大時代に友人を通じて出会った奥様とは卒業から2年後に結婚。2人の男児にも恵まれ、家族全員で酪農に取り組んできた。親分肌で性格の違う父親とは喧嘩することも多いが、その存在の大きさを今あらためて感じている。現在、フリーストール牛舎で、NON-GMO(非遺伝子組換え飼料)を用いて乳牛60頭の飼育を行ない、年間550,000キロリットルに及ぶこだわりの生乳生産を統括する。泣~イケ ファーム代表取締役。

子/三池 大地(みいけだいち)
平成元年(1989年)大津生まれ。熊本県立菊池農業高校を経て熊本県立農業大学校(畜産学科酪農コース)卒。家業を手伝うことに違和感はなく、自ら進んでこの道を決めた。農大時代は全寮制の環境で伸び伸びと学習できたことが最も印象に残っており、とても楽しい学生時代だったという。就農して毎朝5時起床、5時半と夕方17時半の1日2回の搾乳、その間の乳牛の世話などに追われる日々だが、仕事の大変さと同時にやりがいも感じている。幼い頃からの手伝いと仕事としての酪農の違いを体感しながら、祖父から両親、そして自分への数十年にわたる事業の継続に意欲を燃やす。
 


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